自分の内なる声に耳を傾け、花束を手にした瞬間の緊張。花をどう扱えばいいのか、その第一歩に躊躇するあなたへ。映画の中で、花を巧みに使いこなす男性たちの物語から、心を開く勇気を学ぼう。

花の名前、心のメッセージ

花の名前、心のメッセージ
花の名前、心のメッセージ

「別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。」そんな風に、川端康成は彼の短編「花」で締めくくっています。どの花を選ぶべきか? 実は、どの花でも意味を持ち得ます。多くの男性が花の名前を一つも知らない、いわば「花音痴」だからです。花とどのように向き合えばいいのでしょうか?映画の世界には、そんな疑問に答える、男性と花の関わりを描いた名シーンが満載です。

中年の静かなるロマンス:花束の語る言葉

中年の静かなるロマンス:花束の語る言葉
『ブロークン・フラワーズ』(2005年/アメリカ)監督:ジム ・ジャームッシュ / 出演: ビル・マーレイ

『ブロークン・フラワーズ』の物語は、匿名のピンク封筒を受け取ったことから始まります。過去の恋人たちを訪ねる旅に出た主人公が選んだピンクの花束は、彼に意外にも似合い、見る者に深い印象を残します。このシーンは、中年という時期にも、花のような新たな開花があることを静かに語りかけます。花束を手にした中年男性の姿からは、予期せぬ柔らかさと魅力が感じられ、人生のどの段階においても、新しい発見や変化を受け入れる美しさを映し出しています。

花に込めた言葉、心を開く鍵

腕を広げ、花束を手にした瞬間、待ち合わせの場所が舞台に変わります。『プリティ・ウーマン』で見せる、わずかな誤解を解きほぐすバラの花束の力。また、『ビッグ・フィッシュ』において、彼女の窓から望む庭を水仙で埋め尽くすシーンは、言葉を超えた愛の表現を教えてくれます。これらの物語から学ぶのは、恐れずに心を込めたロマンティックな行動の大切さ。花は、硬く閉ざした心を解きほぐし、笑顔を咲かせる力を持っています。

『ビッグ・フィッシュ』(2003年/アメリカ)監督:ティム・バートン/出演: ユアン・マクレガー
『ビッグ・フィッシュ』(2003年/アメリカ)監督:ティム・バートン/出演: ユアン・マクレガー
『プリティ・ウーマン』(1990年/アメリカ)
                        監督: ゲイリー・マーシャル/出演: リチャード・ギア
『プリティ・ウーマン』(1990年/アメリカ) 監督: ゲイリー・マーシャル/出演: リチャード・ギア

心をつなぐ、静かなる花の贈り物

『ドゥ・ザ・ライト・シング』(1989年/アメリカ)監督: スパイク・リー/出演:ダニー・アイエロ
『ドゥ・ザ・ライト・シング』(1989年/アメリカ)監督: スパイク・リー/出演:ダニー・アイエロ

窓辺でひとり思いにふける女性へのアプローチと言えば、古典的な『ロミオとジュリエット』の情景が浮かびます。しかし、80年代ブルックリンを舞台にした『ドゥ・ザ・ライト・シング』では、この古典的なアプローチに新たな息吹を与えます。作中、一人の老人が最後の貯金を使ってバラの花束を購入し、アパートの窓際に佇む女性に静かに手渡します。周囲の疑問の目や、受け取る女性の冷たい反応にも動じず、彼は花を通じて心の橋渡しを試みます。老人が去った後、女性がその花に注ぐ視線には、言葉を超えた深い感情が宿っています。この瞬間、花はただの物ではなく、心から心へと届けるメッセージとなるのです。

言葉にできない想い、花に込めて

『街のあかり』(2006年/フィンランド)監督:アキ・カウリスマキ/出演:ヤンネ・フーティアイネン
『街のあかり』(2006年/フィンランド)監督:アキ・カウリスマキ/出演:ヤンネ・フーティアイネン

言葉を交わすことが苦手な人ほど、花の言葉の価値を知っています。『街のあかり』では、主人公が恋する女性を自宅に初めて招待する際、彼の感情を象徴するように部屋にはたった2輪の花が飾られています。これは、彼が言葉で表現できない深い愛情の証。花があることで、その空間に温かみと彼の繊細な心が伝わります。彼の静かな愛情表現は、花を通じて、大声で言葉にするよりも強く、深く伝わるのです。

予想を超える

『3-4x10月』(1990年/日本)監督:北野武/出演:小野昌彦
『3-4x10月』(1990年/日本)監督:北野武/出演:小野昌彦

花がただの装飾品ではなく、深い物語を紡ぐ道具となり得ることを、北野武監督の『3-4×10月』は見事に示しています。沖縄の日常を生きる上原(ビートたけし)が、敵対する組織への挑戦として、極楽鳥花のみで作られた花束に機関銃を隠すシーンは、花に対する一般的な見方を覆します。この瞬間、花は強さと繊細さを兼ね備えた存在へと昇華され、見る者に新たな視点を提供します。花が伝えるメッセージは、その外見の美しさだけに留まらず、その背後にある意味や物語にも深く関わっているのです。

花から学ぶ、生き方のヒント

 花から学ぶ、生き方のヒント
花から学ぶ、生き方のヒント

花は自然の中で私たちに静かな教えを与えてくれます。映画のシーンから日常まで、花は感情を伝え、心をつなぎ、時には勇気を与えてくれる力を持っています。自然愛好家から心のゆとりを求める人々まで、花を通じて見つける小さな奇跡と感動は、日々の生活に新たな色を加えてくれるでしょう。

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篠宮恵美
About me
數度 祐介:花と共に、新たな物語を紡ぐ。

「MONDEROSE」を通じて、花と共に生きる喜びを皆さんと分かち合いたいと思っています。世界を巡りながら花と人との関係について深く学び、その経験を生かして「MONDEROSE」を立ち上げました。選び抜かれた花々を通じて、日常に新しい彩りと癒しを提供しています。
『花と共に生きる』をモットーに、花が日々の生活にどのように溶け込み、私たちにどのような価値をもたらすのかを伝えていきたいと思います。
季節ごとの花の選び方や、花と共に過ごす豊かな生活のヒントなど、花農家としての専門知識を元に、新たな物語を一緒に紡いでいきましょう。